便秘で肌荒れや食欲不振・頭痛などに効く
『調胃承気湯』という漢方薬を紹介していきます。
『調胃承気湯』はこんな人に効く!
✔︎ 便秘症の方
✔︎ お腹が張る方
✔︎ 頭痛のする方
✔︎ 口周りのニキビ
✔︎ 便がたまるとのぼせや吐き気のする方
✔︎ 湿疹や鮫肌などの肌荒れのある方
『調胃承気湯』の構成
高血圧で急性の熱症状が伴い、持続する高熱もあり危険な状態のものに使う漢方薬が
『大承気湯』ですが、
その『大承気湯』から「厚朴」と「枳実」を取り除き、
瀉下効果(下剤)を穏やかにするために「甘草」を加えたものが、
『調胃承気湯』です。
『大承気湯』ー(「厚朴」「枳実」)+「甘草」
=『調胃承気湯』
『大黄甘草湯』+『芒硝』
=『調胃承気湯』
『調胃承気湯』の構成生薬
- 大黄
- 甘草
- 芒硝
『大黄』の効果・効能
この『大承気湯』という漢方薬に含まれている
生薬の主薬である『大黄』は
タデ科のダイオウ類の根茎を乾燥したもので
消炎・抗菌作用によって炎症を鎮め、強烈な瀉下(西洋医学でいう下剤のような)によって、
腸管内に溜まった糞便(便秘)を排除する効果があります。
この生薬はこんな漢方薬に含まれています。
- 大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ)
- 大黄牡丹皮湯(ダイオウボタンピトウ)
- 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
- 大柴胡湯(ダイサイコトウ)
『芒硝』の効果・効能
『芒硝』は天然の鉱物である芒硝を再結晶して精製したものです。
『芒硝』には、硫酸ナトリウムが含まれていてこの「硫酸ナトリウム」には、
腸内で水に溶け高浸透圧の塩溶液をつくり腸管内に大量の水分を保つ作用があるのです。
さらに腸管を物理的に拡張し蠕動運動を促進する効果もあるのです。
この生薬はこんな漢方薬に含まれています。
- 大黄牡丹皮湯(ダイオウボタンピトウ)
- 大承気湯(ダイジョウキトウ)
- 通導散(ツウドウサン)
- 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
『甘草』の効果・効能
『甘草』は、マメ科のウラルカンゾウやスペインカンゾウの根などを乾燥したもので
鎮痛・鎮痙作用を持ち、
さらに他の生薬の機能を抑えたり、
促進したりする作用があるので
あらゆる漢方薬の含まれていて、
日本で出される有名な漢方薬の1/3ほどの中に含まれているとも言われています。
【漢方薬】『調胃承気湯』まとめ
これを見てわかるように『調胃承気湯』に含まれている生薬は
胃腸に効果を示すものが多く、
『大承気湯』に比べて、『甘草』が入っている分、
『芒硝』の強い瀉下(下剤)効果を穏やかにしてくれています。
ただ、補う作用の生薬が『甘草』のみなので、
体力のない人や低下している人はあまり使わない。
なので『調胃承気湯』は、
『体力の低下していない方で、
肌荒れや食欲不振・頭痛のある方の便秘に効く漢方薬』であるということがわかります。
参照:中医処方解説
引用:漢方薬のきぐすり.com
引用:ツムラ