胃や腸の不調で生じる症状は色々ありますが食べ過ぎや食中毒など原因がしっかりわかっていれば薬を飲んだりして対処することができます。
ですが最近では特に心当たりがないのに胃の不快感や便通の不安定などと言った胃腸の症状を訴える人が増えてきています。
何か疾患が原因の場合は検査をすることで原因を特定し治療を始めることができますがこのような症状の場合検査をしても特に異常がなくとりあえず整腸剤などで様子を見る場合が多いです。
このような特に検査上問題無いが胃のもたれや不快感などが長期的に続くものを『機能性ディスペプシア』と言います。
今回はそんな『機能性ディスペプシア』とそれに関係していると言われる『自律神経』について解説していきたいと思います。
機能性ディスペプシアとは
機能性ディスペプシア(FD:Functional Dyspepsia)とは胃の周囲のみぞおち付近に様々な症状を起こす疾患です。
この疾患は胃カメラなどの検査で胃の粘膜などに問題が見られないことが多く器質的な原因がないが機能的な問題が生じているため今までは原因不明の神経性胃炎や自律神経失調症の症状とまとめられることが多かったです。
最近の消化器内科の最も多い疾患とされており悩まされている方も少なくありません。
原因や症状も様々でありその人に適した治療を行うことが必要になってきます。
◆症状
食後の胃もたれ 胃が重い
吐き気、嘔吐 ゲップがよく出る
みぞおちの痛み お腹がすぐにいっぱいになる
胃の感覚を強く感じる
このような症状が多く見られ特に共通してみられる症状にみぞおちの不快感が挙げられます。
◆原因
胃の蠕動運動の異常 生活習慣
ストレス 胃酸の異常
胃の知覚過敏 ピロリ菌感染
自律神経との関係
機能性ディスペプシアには自律神経が深く関係しているとされています。
上記したように機能性ディスペプシアの原因にはストレスや生活習慣、胃の蠕動運動の異常などがあります。
これらの症状には自律神経が深く関係しています。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つの神経のこと言います。
この自律神経は内臓の運動などの人間の意識が届かない事を自動的に管理している神経です。
ですがこの神経は2つの神経が相互に支え合っているため乱れてしまうことが多いです。
特にストレスや不規則な生活習慣などを繰り返しているとあっという間に乱れてしまいます。
これが原因となり胃の蠕動運動が乱れたりストレスで胃酸の分泌が過剰になったりして機能性ディスペプシアの症状に繋がってしまいます。
自律神経の乱れが主に胃腸の症状に繋がり様々な胃の症状を起こしてしまうのが機能性ディスペプシアです。
自律神経が乱れているサイン
自律神経は日々の些細なことで乱れてしまいがちな神経です。
ですが多くの人が気のせいだとか疲れているだけと片付けてしまい自律神経が乱れているサインを見逃してしまってもいます。
朝起きると体がダルイ 汗をかきやすい
動悸がする 焦りや不安な気持ちが続く
すぐにイライラする 頭痛や肩こりが続く、眠れない
このような症状が2つ以上当てはまり長く続いている場合は自律神経が乱れているサインです。
またこのような症状をそのままにしていると症状が長期化したり他の疾患に繋がってしまうこともあるので早めに対処することが大切です。
まとめ
今回は特に心当たりがないのに胃の不快感や便通の不安定などと言った胃腸の症状が続く疾患『機能性ディスペプシア』について解説しました。
機能性ディスペプシアは特に心当たりがないのに胃の不快感や吐き気が続いたりゲップがよくでる、胃もたれ、胃が重いなどの症状を生じる疾患です。
この疾患には自律神経が深く関わっており自律神経の乱れが原因になっていることが多いです。
最近特に心当たりが無いのに胃の不快感などの症状が続き検査などでも特に問題が無い場合にはこの疾患である可能性があるのでチェックしてみてください。