両膝の膝の痛み(膝蓋靱帯炎)で
ワンダー鍼灸整骨院に来院されました。
初めは左膝(お皿の前側)の痛みが強く、
そのうち治るだろうと放っておいたら、
右の膝まで痛みが出はじめたので来院。
中学生の頃から陸上部に所属
中学2年生の頃に足首の捻挫をしたせいで、
3年生の頃は大会出場機会を逃し、
高校生になっても怪我が多く、
タイムが伸びないことにも悩んでいた。
【発生機序】
・中学生の頃に怪我をした足首のリハビリをしっかりしなかったせいで、
リラックス時の足首の形状に左右差があり、
筋肉の緊張度合いも強い。
走り込みのせいで膝に痛みが発生。
【増悪因子】
・膝を最大屈曲位にすると痛みが強くなる
・さらにその状態で伸展させると痛みは増強
【考察】
・特に大腿四頭筋の筋緊張が強いために
膝蓋骨の可動域を狭め、膝蓋靱帯に牽引力がかかり、
炎症を起こしたと考える。
【医師の診断】
・病院での診察はなし
【治療方針】
・鍼灸治療で股関節周りのツボと膝周りのツボ(とくび)の2穴を使用
【治療経過】
1回の治療で痛みはNRS10→2に変化し、その日の治療は終了
2回目の来院時には部活動でまた痛みが8くらいまで痛みが増強されている。
同じような治療で痛みは再び0or1くらいまで軽減
ただし、痛みがぶり返しているようなので、
部活動の前のストレッチ方法を指導
NRS(numeric rating scale) は、痛みを数字で口頭で答えてもらう方法です。
0〜10までの11段階で行い
0:全く痛みがない
11:今までで一番痛い
3回目の来院時ではやや戻っているようでNRS4くらいの痛み
それも同じような治療でNRS0になるが再発が続いているので
他に気になることはないかと再度聞いてみると
「中学生の頃から夜途中で起きてしまうんです。」
という話を話してくれた。
お腹を見て『中途覚醒』の治療もすると再発はほとんどなくなり、
膝の調子は良くなり膝の治療は終了。
その後、何週間後に来院され、
「次はシンスプリントになってしまった」と。
痛みが強く、歩くだけでも痛みが増強するが
部活動は休むことができないというので、
陸上競技を継続しつつの治療となった。
【今後の課題】
・鍼灸整骨院に外傷で来院された患者さんは
関係なと思い、
「他に何か日常生活で困っていることはありませんか?」
「便の状態はどうですか?」
という話を投げかけても思ったような返事を得ることは少なく、
何回か来院されて、信頼関係が少しずつ築け、
人間の体の中で起こっているということは全て関係しているんだ!
ということを理解していただけるようになると、
話をうまく聞き出せるようだ
ですので、今後は1回目の来院時でも
そういったことを把握しつつ問診できるといい。