女性の閉経前５年と閉経後５年の１０年を合わせて『更年期』と呼びます。
この更年期の間はホルモンバランスの変化などが主な原因となり体に様々な症状が生じやすいです。
この更年期の間に現れる様々な症状の中で病気に伴わない症状を『更年期障害』と呼びます。
更年期障害には体のほてりやイライラしやすい、めまい、動悸、頭痛、肩こりなどの症状が生じやすいですがその人の体の体質やタイプにより生じやすい症状もあります。
前回の投稿では体質を東洋医学的に分類しそれぞれのタイプに症状やすい症状を紹介しましたが今回はそのタイプごとの改善ポイントなどを紹介していきたいと思います。
更年期障害は自分自身のタイプを把握しそれにあった改善方を行えば改善する症状も多いのでぜひ参考にしてみてください。
●タイプ１ 肝に乱れがあるタイプ
《生じやすい症状》
爪が脆い、髪の毛が抜ける、イライラしやすい、目が充血する
肝とは肝臓のことですが東洋医学では肝は血を蔵しているなど血液との関係が深い臓器です。
この肝が乱れてくると爪が脆くなったり、髪の毛が抜けやすくなる、イライラしたりしょんぼりしたりと感情が不安定になりやすくなるなどの症状が生じやすいです。
また肝は目を滋養しているとされ目にも乾燥しやすい、涙がよく出る、充血するなどの症状も生じやすいです。
このタイプは肝の働きが乱れているためこれを整えることが大切です。
改善ポイント
◆深呼吸や入浴でストレス解消
ストレスを強く感じたり溜まってくると肝の働きは乱れてきやすいです。
東洋医学では肝の働きの一つに全身を引き締めると言うものがありストレスが溜まってくるとこの働きが過剰になり全身に力が入ったままの状態になりやすく疲れやすいし余計に物事に神経質になりやすいです。
ですので体に溜まったストレスを抜くようなつもりでゆっくり深呼吸をしてみたりややぬるめのお湯にゆっくり浸かったりすることでガチガチに緊張した体の緊張をほぐせたり巡りをよくすることができます。
どちらも気軽に行えることもポイントです。
◆酸味のある食べ物を食べる
東洋医学では酸味のある食べ物は肝の働きを助けるとされています。
例えばイライラした時などに酢の物や海藻類などを食べるとスッと気が巡り過剰にストレスが溜まるのを防ぐことができます。
●タイプ２ 心の乱れがあるタイプ
《生じやすい症状》
動悸、息切れ、精神障害、不眠
心は東洋医学では心臓から血液を全身に送る機能をコントロールしていたり全身の臓器を統括するなどの作用があります。
更年期障害で心が乱れるとこれらの作用に問題が生じやすく心臓の拍出をうまくコントロールできずに動機やそれに伴った息切れが生じたり臓器を統括する作用が弱まり精神障害、不眠障害などの症状も起こりやすいです。
改善ポイント
◆アロマでリラックス
心の乱れが進んでいる場合は自律神経が乱れていることが多いです。
アロマやお気に入りの香りを嗅ぐことでリラックス作用が起こり乱れている自律神経を整えることが可能です。
アロマで自律神経を整える方法は他の記事に詳しく記載してありますのでご参考にしてください。
◆軽い運動
日常的に軽い運動をすることで心肺機能が向上し弱った心の機能を向上させてくれます。
ですがいきなり慣れていないのに激しめなランニングなどの運動を行うと逆に心肺機能や気を使い過ぎてしまうので習慣的に適度に運動することがポイントです。
●タイプ３ 腎の乱れがある場合
《生じやすい症状》
手足の冷え、手足、顔面のほてり、のぼせ
腎とは一般的に言う腎臓のことですが東洋医学では生命を維持するエネルギー源を蔵している部位です。
腎の場合は乱れていると言うよりも機能が衰退していることがほとんどで衰退することで手足の冷え、手足や顔面のほてり、冷えのぼせ感などが生じやすいです。
また腎の中でも『腎陽』と『腎陰』があり腎陽の体を温める作用が低下すると手足の冷えが生じやすかったり腎陰の体を潤す作用が低下するとのぼせ感が生じやすくなったり両方とも低下していると体がほてったり冷えたりなど暑かったり寒かったりすることもあります。
改善ポイント
◆黒い食べ物を食べる
東洋医学では黒い食べ物を食べることで腎の機能を高めることができるとされています。
ですので例えば黒豆や黒胡麻などを習慣的に食べることで衰えた腎の機能を高めることができます。
◆しっかりと睡眠
睡眠時間がバラバラだったり極端に少なかったりすると腎の機能は低下してしまいます。
ですのでしっかり夜間は６、７時間ほど睡眠をとりその日の疲れを回復してあげるようにしましょう！
●まとめ
更年期とは女性の閉経前後の５年の間を合わせた期間のことを言いその間に生じる様々な症状を更年期障害と呼びます。
更年期障害は女性ホルモンのバランスが乱れて生じることが多く手足の冷えやほてり、精神障害、不眠、動悸、イライラしやすいなどの様々な症状が生じます。
様々な症状が生じるため他の疾患と症状が似ていることもありここはしっかりとした鑑別が必要です。
ですが自分自身の体のタイプを知りそれに合わせて日常生活をちょっと工夫するだけでも更年期の不定愁訴を改善することも可能です。
日々の習慣や食生活を少し見直してみて薬などを使わず自分で体調を整えられるようにすると体も丈夫になり健康に日々を過ごせると思います。
