前回の投稿で生理痛の原因と特に多い3つのタイプを紹介しましたが今回はその3つのタイプの生理痛に対する改善法と効果的な漢方薬を紹介したいと思います。
自分自身のタイプを知ってそれに適した治療や漢方薬を使えるようにすると症状の緩和につながります。
タイプ1 生理痛が強く経血に塊が混ざっていることが多い場合
生理痛が他と比べて重かったり特に痛みが強い場合や経血中に細かい血の塊のようなものが混ざっていたり経血が黒っぽい、生理前になると体の不調が起こりやすかったり顔色が悪くなるような症状がある方は
瘀血(おけつ)タイプです。
瘀血タイプの方は使われて古くなった血液やドロドロとして体には不要な血液が体内に停滞しておりその瘀血が子宮に集まることで生理痛を強くしたり顔色が悪くなったりPMS(生理前症候群)の原因になってしまったりします。
このパターンの方はとにかく血流を改善させ流れを良くしてあげたり体を温めて冷やさないようにすることが大切です。
瘀血を改善するポイント
◆血流を良くする
瘀血の状態では血液がドロドロで流れがとても悪い状態です。
ですので血流を良くするために体を適度に動かしてあげましょう!
体を動かすことで筋肉が収縮しその作用で血流が促進されます。
また体を動かすのも体全体を使うランニングやウォーキングを行うと体全体に血流が流れて血流の促進を促すことができるので効果的です。
自分の無理のない範囲から始めて運動後は軽いストレッチを行うとさらに筋肉痛の予防になったり隅々まで血流を促進させることができるのでおすすめです!
◆体を温める
体が冷えて血液も冷えると流れが悪くなり瘀血になりやすくなります。
体を温めるには入浴が効果的で一日の疲れを癒すようにぬるま湯(38度ぐらい)に15分から20分ほど時間をかけて浸かることで体の芯から温まることができます。
またこれからは夏になり冷房や冷たい飲み物、食べ物を食べたりすることが多くなり体が冷えやすくなりがちです。
ですので毎日お風呂で体を温めるのを続けてそんなに暑さを感じない時には飲み物もキンキンに冷やさず常温にして飲んだり体を温める作用のある生姜やニンジン、玉ねぎなどの野菜を使ったスープを食べたりすると体が冷えすぎるのを防ぐことができます。
その時に味を濃いめにしてしまうと血液がドロドロになりやすいのでちょっと薄味程度にするとより効果的です🌱
◆油っぽい食事に注意する
揚げ物やラード、バターなど油分が多い食材ばかり食べていると血液がドロドロになってしまいます。
たまに食べるには問題ありませんが偏食にならないように気をつけましょう。
◎瘀血に効果的な漢方薬
瘀血に効果的な漢方薬には
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
などが効果的です。
桂枝茯苓丸は血の巡りを改善させ手足の冷えや体ののぼせなどの改善に効果的です。
桃核承気湯は気と血の巡りを良くする他に生理痛や生理不順の症状を和らげてくれる作用もあります。
タイプ2 月経周期が短い 経血が薄い めまい、立ちくらみが多い多い場合
生理中に手足が冷えて寒気を感じやすかったり不眠やめまい、立ちくらみ、無気力、生理が遅れやすいようなことが多い方は
血虚(けっきょ)タイプです。
血虚では体に血が足りていない状態ですので血を補ったり無理に血を消耗する事を避けたりすることが大切です。
血虚を改善するポイント
◆食事を見直す
血は普段の食事から生成されます。
ですので普段の食事が偏食気味だったり食べる量が極端に少なかったりすると血を作ることができませんのでしっかり栄養バランスの整った食事を心がけましょう。
ご飯やうどん、パスタなどの炭水化物ばかりの食事は血を作り出すのに大切なタンパク質が不足しがちですので動物性タンパク質の多い豚肉や植物性タンパク質の多い納豆などを意識して摂取するようにしましょう。
◆供給と消費のバランスを整える
人間は食べ物を摂取してエネルギーを蓄えますがそのエネルギーの消費量が摂取量より多いと血や細胞を作る分が不足してしまいます。
過度なダイエットなどでは食べる量を極端に抑えてしまうことが多いのでしっかりその日使ったエネルギーを補充するつもりで食事を摂りましょう。
◆十分な睡眠を摂る
睡眠は血を作り出すのには大切なことです。
寝ている時間に体に必要な血や気を作り出しますがその睡眠の時間が少ないと作れる量も減ってしまいます。
睡眠時間が短いのは血や気を作る工場の稼働時間が少ないのと同じことですからしっかり睡眠を摂ることは大切です。
一日6時間は時間を確保しできるのであればゴールデンタイム(22時〜2時)の間は寝ているようにすると効果的です。
◎血虚に効果的な漢方薬
血虚に効果的な漢方薬には
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や七物降下湯(しちもつこうかとう)
などがあります。
当帰芍薬散は当帰と言う補血効果(血を補ってくれる効果)のある生薬や芍薬と言う血管を拡張させ血流を良くしてくれる生薬が中心になっている漢方薬で体に必要な栄養素を含み血行を促進させたり水分代謝を整えてくれたりします。
七物降下湯は気と血を増やしてくれる効果があり、また耳鳴りの改善にも効果的な漢方薬です。
タイプ3 胸が張り情緒が不安定でイライラしやすい場合
生理中にイライラしやすかったり情緒が不安定になりやすい、胸が張る、お腹が張る、周期が早かったり遅かったりとバラバラな方は
気滞(きたい)タイプです。
気滞は体を巡る気が停滞している状態ですのでその停滞している気を発散させてあげることが大切です。
気滞を改善するポイント
◆呼吸を意識して深呼吸
体に溜まった余分な気はストレスのことが多くそのストレスを発散させてあげると体もリフレッシュされます。
体に溜まっている気を外に出すことを意識してゆっくり深呼吸を一日2、3回行いましょう。
ちょっとイラッとしたり焦っている時などに行うことで気分をリセットすることができストレスが溜まるのを阻止してくれたりもします。
◆アロマでリラックス
自分の好きな香りを嗅ぐと気の巡りが良くなります。
ですのでアロマなどのいい香りを部屋に焚いて深呼吸すると気の巡りも良くなりますしストレスも自然と発散されます。
◎気滞に効果的な漢方薬
気滞に効果的な漢方薬には
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)や柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などが効果的です。
半夏厚朴湯は気の巡りを良くしてくれ気分の落ち込みや喉に何か詰まっている感じ(梅核気)を改善する作用があります。
よく咳払いをしたり喉に違和感を感じる方にはピッタリな漢方薬です。
柴胡加竜骨牡蛎湯は精神的に不安定でイライラしやすい気持ちを落ち着かせてくれ睡眠をサポートしてくれる漢方薬です。
考えすぎやイライラして寝付けないなどの症状がある方には効果的な漢方薬です。
●漢方薬の注意点
漢方薬は体の気や血を補ってくれたり巡りをよくしてくれたり薬のような添加物を含まず体にも優しいものです。
ですがただ症状が似ているからと言って紹介されている漢方薬を使うのはちょっと違います。
体の性質はその人その人で異なりそれに合った漢方薬を使うことが大切です。
体に生じている症状はあくまでその時の症状に過ぎないので自分が今どのような状態でどのような効果の漢方薬が自分には適しているのかを把握して使用することがとても大切です。
ワンダー鍼灸整骨院・漢方薬店では患者様の体の性質をしっかり確認しその体質に適した漢方薬を処方しておりますので漢方薬を市販で購入する前には一度ご相談ください🌱
●まとめ
今回は前回紹介した生理痛の原因と3つのタイプに対する改善法やそれに適した漢方薬を紹介しました。
生理痛の症状は人それぞれでこの治療をすれば全て問題無しなんてことはありません。
自分のタイプを知ってそれを改善するつもりで日々の食生活やライフスタイルを改善するようにすると薬に頼らなくても悩まされていた症状を改善することができます🌱